介護士Yの戯言

心穏やかに働く為の心得②「全力を出さない」

今や男女ともに多くの方が1日の大半を職場で過ごしていて、誰もがなるべく雰囲気良く働きたいと願っているのに、どの職場にも変な人がいたり、サボル人頑張る人で分かれていたりして人間関係のトラブルってなぜか絶えないんですよね。

人間関係の悩みに留まらず、頑張ってしまう人は身体的にも大きなダメージを受けています。今は若かったり、健康だったりで無理がきいているかもしれませんが、将来的には頑張り続けてしまうのは大きなリスクになりえます。

前回は「期待しない」をテーマに書き綴りましたが、今回は「全力を出さない」をテーマに書いていこうと思います。

スポーツやゲームとは違い介護という仕事では全力を出さないことがとても大切だと思われます。

なぜ全力を出さないことが勧められるのか、それは手抜きではないのかと思われる方もいるかもしれませんが、これからその点を含め解説していきたいと思います。

全力を出さない、とは

全力を出すというのは本気、100%の力をもって取り組むことですが、全力を出す為にも全力を出さない為にもそれぞれ必要なことがあり、メリットとデメリットの両方が存在します。

時と場合によって力の出し具合を変える必要があることも多く、介護に関してはほとんどの場合において全力を出さないことが介護という仕事を長く続けていくコツなのだとも思います。

職場にこんな職員いませんか?
・自分の仕事を済ませ、他職員の役割をどんな時もフォローしにいく職員。
・この時間までに終わらせればいいという業務も急いで早く早く終わらせる職員。
・係や委員会の仕事をメンバーで協力分担せずに、1人で全部やってしまう職員。
・真面目でいつもせかせかと仕事をしている職員。

中にはこんな人もいるでしょう。
・この人がいてくれれば今日は安心だと思える職員。
・この人がいてくれれば業務がスムーズになると評価される職員。

そのような職員は危険です。
特に後者2つは仕事の出来る人、いい人というよりいいように使われてしまう人のような気がします。

全力を出さないことのメリット

全力を出すということはその分身体への負担も大きいということであり、身体の回復にもそれなりに時間を要します。

全力を出さないことのメリットとしては
・力の温存ができること。
・身体への負担が減り、怪我や体調不良、事故のリスクを軽減できること。
・身体への負担を減らし、回復が短時間で済むこと。

疲れ切ってしまうと周囲への注意力も低下してしまい、意外とリスクのほうが大きくなります。
また、仕事が終わった後に余力があることでプライベートでの選択肢も増えるかもしれませんね。

全力を出さないことのデメリット

全力を出さないことは悪い印象があると思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。メリットでも挙げたように、悪いことという印象があってもそれ以上にリスクがあります。

ではデメリットにはどんなことがあるのでしょうか。
全力を出さないことが悪い印象があると思っている方が少なからず、どの職場にもいると思いますので、時と場合により他人から手を抜いていると見られてしまうことが稀に稀にあります。

そういった見方をされ、上司が今の福祉業界に理解のない方であれば人事評価などにマイナスの影響が出ることもあるかもしれません。

介護で全力を出さないことを勧める理由

スポーツやゲームであれば試合や大会があって、その日までに練習して技術を磨いたりコンディションを整え、当日に全力を出し切ります。
営業職などノルマがあるような仕事でも成果を出さなければ給料が増えませんよね。

上記のように全力を出さなければいけない機会がある人たちは世の中にいますが、介護士のように重労働がひと月に20日前後あるという人は別です。

毎日毎日全力で仕事に取り組んでいたら身体的につぶれてしまう方がほとんどだと思います。全力を出すと言うことは身体にも大きな負担がかかることが必然で、そのダメージはすぐには回復しません。

例えば、すごく疲れた日や体調が悪い日など体力を消耗しきっている日は身体は休息を必要としています。夜の早い時間に眠気に襲われる経験、誰しも経験されていると思います。「寝落ち」と私たちが呼んでいることも、身体が休息を必要として体に引き起こすことのひとつで、休息不足による気絶の一種とも言われているようです。

メリット・デメリットの説明でも挙げたように、疲れ切っている状態ではいざ介護の場面で力が発揮できなかったり、周囲への意識が薄れてしまうことで事故や怪我などのリスクがあり、安全安心の介護は難しいと言えます。

利用者の近くにいても一瞬の気の緩みや不注意で事故が起きてしまうことは介護現場では珍しいことではありません。

自分にとっても、利用者にとっても日々の介護を安全に行っていくためには次の介護の機会にも力を発揮できるように温存していくことも大切です。

また、プライベートあってこその仕事ですから、仕事で疲れ果ててしまうと仕事の後や休日にプライベートを満喫することも叶わなくなってしまう可能性があります。

全力を出すことを諦めて無理なく働くために。

●急いでもマイペースでも業務量は変わらない。
業務量や介助量が同じでも、急いで少しでも早く終わらせようとするのと、無理のないペースで行うのとでは、同じ業務量でも負担が変わってきますよね。

業務のほとんどは目安として何時~何時の間にこれをするという業務スケジュールがあると思います。早く済ませれば後々余裕ができるかもしれませんが、早く済ませることが絶対的に正しいというわけではありません。

大切なのは自分に無理のないペースで動いていくこと。無理のないペースとは言ってもダラダラとするのではなくあくまでも与えられている役割を終えることをゴールとした上で、です。終わらせる努力をした上で、自分に無理のないペースで動いて、それでも終わらないことは終わっていない部分を引き継げばいいのです。

無理なペースで働くこと、オーバーワークは仕事の時間はアドレナリンが出て乗り切れるかもしれませんが、退勤後に疲労感が残り、趣味や個人的な予定などのプライベートでの活動量の低下にもつながってしまいます。

自分の怪我にも繋がってしまうこともあり、無理なペースで働くことはデメリットしかありません。

●プライベートあってこその仕事、プライベートも含めての人生
仕事だけの日常というのはどうでしょうか?
何のために働いているのでしょう?

仕事を生きがいにして仕事に人生をかけている人がいることも事実ですが、家族を養うためやお金を稼ぐために仕事をしている方が圧倒的に多いのが現実です。

そういった方々であれば仕事に全力を注いで、疲労感からプライベートの時間に何もできなくなるということは豊かな人生とは少し異なってしまうかもしれません。

●いい人、いいように使われる人にならない。
冒頭で挙げた「この人がいると安心、この人がいる日は楽」などといった職員。
周りからの評価は仕事ができる、早いということで良い評判かもしれませんが、1つだけリスクがあります。

その職員がテキパキ動いて周りが楽をしているパターン。このパターンはとても危険です。
周りは楽をしたくて手を抜いたりして、その間にできる職員がテキパキ業務をこなしていくということは職員間の業務量のバランスが悪く、負担も動く職員に集中してしまいます。

長い目で見ると、
・楽をしている職員は成長しない。
・動く職員は疲弊していき、潰れてしまう。

このように全力で働くこと、無理なペースで働くことはデメリットばかりです。

自分と利用者の健康と安全、自分と家族のプライベートの為に今一度働き方を見直し、無理なペースで働くことを極力さけられますよう、お勧め致します。

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