介護の仕事

『マッスルスーツEvery』の使用感は? 3か月使用してみた介護士の使用レポ

2021年度から私が勤めている職場にも導入されたアシストスーツ。いくつか導入されましたが、今回はその中の1つ「マッスルスーツ Every」というアシストスーツについて、3か月の使用感を綴ります。
結論から話してしまうと腰痛予防にとてもいいと思えるアイテムでした。では介護現場での実力はどうだったか、実際どんな点が良かったか、使い辛さはなかったのか書き綴っていきます。

マッスルスーツ Every とは?

ダウンタウンの浜田雅功さんがCMをされており、重いものの運搬を手伝ったり、怪獣と戦う姿が映されています。そんな浜田さんが着用しているのは「着る筋肉」をキャッチフレーズに販売している株式会社イノフィスさんの「マッスルスーツEvery」というアシストスーツ。2021年9月末で販売台数が2万台を超えた今人気のアシストスーツなんです。

これまで様々なメーカーがマッスルスーツを売り出してきましたがどれも数十万~100万を超えるような高額なものばかりで業務用のものばかりでしたが、このマッスルスーツEveryは価格が約15万と一般家庭でも購入できる価格帯での販売がされています。

このマッスルスーツは非電動でリュックのようにさっと背負い、両足にパッドをかけるだけで使えるという着用のしやすさに加え、一般家庭でも購入できる価格帯という点が人気急上昇の理由かもしれませんね。

マッスルスーツEveryの仕様

タイプ ソフトフィットタイプ
タイトフィットタイプ
サイズ
(推奨適応身長)
S-Mサイズ:150cm~165cm
M-Lサイズ:160cm~185cm
本体重量 3.8kg
駆動源 圧縮空気
アクチュエーター McKibben型人工筋肉
圧縮空気供給方法 手動式空気入れ
補助力 25.5kgf(100Nm)
仕様環境温度 -30度~50度
防塵・防水性能 IP56
本体寸法
(高さ×幅×奥行)
S-Mサイズ:805mm×465mm×170mm
M-Lサイズ:840mm×465mm×170mm

防塵・防水性能について、防塵性能は0~6までの7等級、防水性能は0~8までの9等級あり、数字が高くなるにつれて性能が良いとされ、「IP56」は防塵性能が5級(有害な影響が出るほどの粉塵が製品内に入らない)、防水性能が6級(強い噴流水による有害な影響はない)という意味です。
防水性能は4級から生活防水とされており、介護現場での入浴介助といった濡れてしまうような場面でも使用することが可能ですね。

マッスルスーツEveryの種類

マッスルスーツには上の仕様にあるようにソフトフィットタイプタイトフィットタイプの2種類があります。

  • ソフトフィットタイプ

ももとパットの間にゆとりがあり、歩きやすいタイプです。農家さんや配送業の方などよく動き回り、荷物を持ち運ぶ方に向いています。35度まで屈まないと補助力が発生しないので、中腰の姿勢で仕事する方には効果が薄れてしまいます。

  • タイトフィットタイプ

ももとパットがしっかり密着するので、歩きにくいタイプです。歩き回ることもできなくはないですが、介護や工場での仕分け作業などその場から移動をあまりしないで中腰の姿勢を続ける方に向いています。少し屈むだけで補助力が発生するので、移動には不向きです。

実力は?本当に楽になるの?

ここではあくまで私個人の感想を綴ります。
介護現場では腰痛予防で持ち上げない介護が推奨されており、リフトやスライドボードなど様々な便利アイテムがあっても中腰姿勢になる場面は必ずあり、腰への負担を無くすことは不可能です。でもこのマッスルスーツを着用して介護すると腰への負担をほとんど感じず、腰痛への不安は以前よりなくなりました。

現在タイトフィットのタイプを使用して介護の仕事をしているのですが、移乗介助など屈むと上半身が後ろに引っ張られるような感覚で、1日に何十回と中腰姿勢になることが多い職業柄、正直なところ介助がかなり楽になったと実感しました。介護に限らず中腰姿勢になることが多い職業の方にはとても役立つと思います。

  • 移動には不向きっていうけど実際どうなの?

タイトフィットタイプは移動には向かないので、スーツを装着し空気圧縮した状態で移動すると脚の筋トレをしているみたいな感じでした。足を前に出すと補助力が発生し、前に出した脚が補助力で後ろに引っ張られる感じになるので、足に重りつけて動く筋トレのような状態です。最初は「これ逆に疲れちゃうんじゃない!?」と思っていました。
移動が必要になったら空気圧縮を解いて移動すればいいんじゃないかとも思うのですが、介護現場だと移動して介助、移動してまた介助を繰り返しますので、その都度ポンプで手動で空気圧縮するのは結構手が疲れてしまうんじゃないかと思っていましたが、その不安通り繰り返すと手が疲れます。

ただ人の慣れとは恐ろしいもので、今では空気圧縮も短時間で苦痛なく行えますし、空気圧縮した状態での移動もあまり気にならなくなりました。

  • 使用していて不便に感じたこと3選

①これは施設によると思うのですが、私が使用した環境が従来型の特養で多床室って大きい車いす置くと結構狭いんです。移乗しようとベッドに車いすを横付けして、車いすとお隣さんのベッドの間を通ろうとするとどうしてもぶつかったりと通りづらく感じました。ももにパッドをかけていてそう感じたので、移動のしやすさを考えてパッドを外した状態であったならより通りづらいだろうなと思います。

②タイトフィットタイプはももにパッドが密着するので密着部分が暑くなるので夏場や汗っかき、暑がりの人は少し気になるかもしれません。

③サイズは身長にあわせたものをご使用ください!
「便利です!楽になります!」と言っておきながら、実は事業所で購入されたものがS-Mサイズで私のとっては1つ小さいサイズでした。あまり関係ないんじゃないかと使用していましたが、身長での推奨サイズよりも小さいサイズを着用するとももに当てるパッドが大腿部付け根よりの高い位置にきますので、体勢によってはパッドが変にあたり痛みや違和感を生じます。

まとめ

使い始めは軽量とは言え約4kgありますし、動きづらさなど慣れない部分があるかもしれませんが、使い慣れてくると腰痛予防を実感できる良い製品だと思います。腰痛で悩んでいる介護士さんは大勢いるので、アシストスーツを検討している事業所さんにはぜひ検討して頂きたい製品でした。
それでも約15万円する大きな買い物ですから、気になる方はまずはレンタルを試してみてはいかがでしょうか。こちらのrentioではレンタル料金も安いのでぜひご検討を。