介護の仕事

職員で意見が分かれる、夜間のオムツ交換

夜勤の業務の1つである排泄ケアについて、皆さんの施設では夜間のオムツ交換は何回入っていますか?

夜間の排泄ケア、その中でもオムツ交換の実施の是非は実は職員間で2つに意見が分かれます。その2つとは清潔保持と睡眠重視です。では、それぞれの意見のポイントについて解説していきます。

私が勤めている施設の場合

私が勤めている施設では夜間のオムツ交換は定時で2回は入るような設定にされています。内1回は1時前後と利用者が寝ている時間です。フロアによって介入する時間は前後するのですが、深夜帯に入ることで利用者が覚醒し、そのあと寝付けなくなり日中に傾眠していたりといったケースもよく見かけます。

私が夜勤するフロアとは別のフロアでは、夜間のオムツ交換で利用者が覚醒してしまい、そこから徘徊が始まり、見守りや歩行介助が必要な方であれば身動きが取れなくなってしまうそうです。そんな状態ってすごくリスクですよね。付いていなければ転倒するかもしれない利用者がフロアに起きていて、その状態でコールやほかの方の介助が必要になった場合を考えるといつ事故が起きてもおかしくない状態ですし、ぞっとします。

分かれる意見、清潔保持vs睡眠重視

清潔保持派

パッドに尿が吸収されるとはいえ、パッドによってはぐしょぐしょになったりして、その状態が長時間続くと皮膚トラブルを引き起こす可能性や不快感を抱くことがあります。なので夜間、就寝中であっても排泄ケアに入ったほうが良いという意見です。

確かに睡眠も大切ではありますが、夜間の排泄ケアに入れば皮膚トラブルが改善したり、なりやすい方に対しては予防にも成り得るので、夜間の排泄ケアの重要性も無視できませんね。皮膚トラブルで陰部に塗り薬している方は特に排泄物と薬が混ざって、長時間放置されると皮膚状態が悪化してしまいますし、改善にはこまめに交換する必要が出てきます。

睡眠重視派

夜間睡眠を妨害してまで排泄ケアを行うことで日中の覚醒状況に影響を与えてしまうことがあります。排泄ケア介入してから再入眠できなかったり、まとまった睡眠がとれないことから日中も傾眠がちになってしまったり、昼夜逆転してしまう可能性があることから、睡眠に悪影響を与えてまで排泄ケアに入る必要はないという睡眠重視の考えを持つ職員も多いです。また、排泄ケアする利用者だけでなく、介入時の音や電気で周りの利用者も覚醒してしまうこともあります。

もちろんその職員たちも皮膚トラブルを抱えている方などには早期治癒や予防のために夜間の排泄ケアも大切だということは理解していると思いますし、夜間のオムツ交換はしたくない、しないということではないと思われます。

清潔保持vs睡眠重視どちらが正解?

これについてはどちらも正解であり、どちらを選んでも間違いではありません。ただ先ほど綴ったように、皮膚トラブルを抱えていて、夜間の排泄ケアも必要なケースもあるので、その場合は清潔保持のほうが重要なのかもしれません。

夜間まとまった睡眠がとれないことで昼夜逆転したり、職員配置の手薄な夜間に利用者が活発になってしまうことで転倒などの事故のリスクも高まる可能性もありますので、1日のリズムを考えると睡眠を妨害しないケアもとても大切ですね。

私が出会ったやばい同僚の話

①とある年下先輩男性「夜起こして活発になって対応するより、朝全更衣になってもそっちのほうがまだ楽」
そう言って夕方に大きいパッド当てて夜のオムツ交換全員スキップしていましたが、早番が来る頃には全更衣祭りで大変なことが多かったです。更衣が必要になるまで介入しないのはちょっとちがうかなと・・・。

②夜勤しない先輩女性「オムツ濡れてるとごはん気持ちよく食べれないから朝食前の排泄ケアを提案」
確かにオムツ濡れてると不快感ありますし、ごはんも美味しく食べれないかもしれません。でもワンオペで朝食前に全員オムツ交換介入は無茶ぶりだし、夜勤やってない人に言われても、と同僚からの非難轟轟でしたね・・・。

介護士Yはどっち派?

私はどちらかというと睡眠重視派です。
夜間ワンオペなのもあり、利用者の安全第一に努めています。現在施設の排泄ケア用品の管理担当なので質の良いパッドの導入を検討しながら、良いパッドを使用して皮膚トラブルが無い方以外は夜間のオムツ交換の回数は減らして睡眠をしっかりとってもらいたいという考えで夜勤しています。

パッドも良いものを使用すれば、多量に尿を吸収してもぐしょぐしょにならずにさらさらしているものもありますし、良いものを使用すれば清潔も睡眠もどちらも得られるかもしれません。夜間の理想は睡眠もしっかりとれていて、排泄ケアも皮膚トラブルや睡眠不足にならない範囲で適切に行えることだと思います。

夜間のオムツ交換が多いことや利用者の昼夜逆転で悩んでいる方は夜間の排泄ケアについても見直してみると悩みが軽減するかもしれません。