健康

大腸内視鏡検査はあまり痛くない。 検査より検査前のほうが苦しかった経験レポート

大腸内視鏡検査とはどんな検査でどんな人が受けたほうが良いのか、また検査と検査前の過ごし方と感じたこと、苦しかったことや痛みの有無など、健康診断で便潜血陽性になってしまい検査を受けることとなった私が経験したままありのままを書き綴ります。
これから大腸内視鏡検査を受ける方や気になっている方の不安感が少しでも軽減されることを切に願います。

大腸内視鏡検査とは

腸をきれいにした状態で太さ12㎜前後の内視鏡を肛門部から盲腸まで挿入し進め、リアルタイムで腸を観察し、癌・ポリープ・腸炎などを早期発見できる検査です。ポリープが見つかった場合には見つけたその場で切除することも可能で、リアルタイムで異常を発見することができるという点が内視鏡検査のメリットとされています。

どんな方が対象になるのか

健康診断の便潜血検査で陽性になった方や一時的であっても血便がでてしまった方、便秘や腹痛が続いている方などが対象となります。そのような症状や便に異常があると何かしらの病気の可能性があり、大きく大腸がん・ポリープ・腸炎などの可能性があります。
もし便潜血検査陽性となってしまったり、血便のある方、便秘や腹痛がひどい方はぜひ大腸内視鏡検査を検討してみてください。それでは検査を受けるにあたりどんな準備が必要なのか、当日はどんなことをするのか、痛みなどはないのか実体験をもとに紹介していきます。

検査費用はどれくらい?

検査して何も見つからなければ1万円前後、もしくは1万円以下で受けられますが、万が一ポリープが見つかり切除した場合には2万円を超える場合があります。

検査前日の過ごし方

前日は消化の良い食事を摂るよう指示がありますが、病院によっては「検査食」という検査を受ける方用の消化に良い食事セット(3食+おやつ)が処方されます。消化の良い食事って言われても・・・と何を食べたらよいのかわからないという方は処方してもらうと食事の悩みが少しは無くなるかもしれません。

私に処方されたグリコさんの検査食

昼食:白がゆとハンバーグ
おやつ:ビスコとゼリー
夕食:コーンポタージュ

私は正直なところ美味しいとは思えませんでしたが・・・。夜の20時から禁食となることが一般的な検査のスケジュールだそうで、夕食はギリギリに済ませました。

〇下剤について
就寝前に下剤を服用したのですが、病院によっては前日の下剤内服はないところもあるそうです。また錠剤のところもあれば内用液ということもあるようで、私の家族も行った時にはピコスルファート1本丸々という介護士の私には笑ってしまうような内服量でした。

検査当日の過ごし方

多くの方は午後一の早い時間に予約して検査されるそうです。私もそれに倣い、午後の一番早い時間に検査を予約しました。遅い時間になればなるほど食事できる時間が遠のいてしまうので、空腹との闘いも長引いてしまいます。

〇午前中の過ごし方

この検査において最も大事なことは検査前に腸の中を空にし綺麗にしておくことだそうです。検査前は禁食で朝から腸管洗浄液という液体を少しずつ飲み続けます。これが実はすごく不味く、例えでいうと経口補水液OS1のクセを何倍にもレベルアップさせたような味でした。(伝わらなかったらごめんなさい・・・)
2リットルという量の腸管洗浄液を2時間ほどかけて少しずつ飲み続け、その間はトイレ頻回になるのですが、便が混じっていない透明な洗浄液が出るまで飲み続けるという修行のような半日となります。
ここで安心して頂きたいので先に書きますが、この腸管洗浄液を飲み続けることのほうが検査自体よりしんどいので、腸管洗浄液を飲んで腸の中をきれいにできたらもう終わったと思っていいほどです。

  • 腸管洗浄液について

水分は腸で吸収されますが、この腸管洗浄液は特殊な水分で腸で吸収されないようになっているようで、飲んだ分トイレで出てくるそうです。腸内の汚れを一緒に出す効果があるそうです。

この腸管洗浄液が本当に一番しんどかったです・・・

検査中はどんな感じ?

鎮静剤を使用する病院が多いそうですが中には使用しない病院や患者さんがいらっしゃるそうです。私の同僚にも鎮静剤を使用せずに大腸内視鏡検査を受けた方がいるのですが、結構痛みがあったそうです。

痛いのが嫌な私は鎮静剤の使用をお願いしました。

検査直前に鎮静剤を注射し、注入直後から身体が重くなり、感覚が鈍くなります。夜勤を経験したことがある方であれば夜勤明けのコンディションのような体が重くて頭もボーっとする感じです。カメラを挿入され、進んでいく感覚も腸のカーブの部分以外はあまり感じませんでした。少し押される感覚はありますが、痛みなどは全くなく、検査自体は5分ほどで終了しました。鎮静剤を使用していても少しぼーっとしているだけで意識はあるので、医師と会話したり、カメラ映像を眺めたりすることはできていました。

検査後は歩行もふらつくのでリカバリー室で30分ほど安静に過ごし、動けるようになりましたが、それでもボーっとする感じやふらっとする感じはあるので、自転車や車、バイクなどの乗り物が禁止という注意書きにとても納得できました。

検査前日・当日の中で一番つらかったこと

検査自体は鎮静剤を使用したので苦痛なく、あっという間に終わることができたのですが、2日間の中で一番つらかったことは即答で検査当日の腸管洗浄剤を飲み続けることでした。不味い液体を少しずつちびちび飲まなければいけない・・・検査そのものより遥かにしんどかったです。腸管洗浄剤を飲み続け、トイレで透明な洗浄液が出るようになったらもう検査は終わったようなものと考えてもいいんじゃないかと思うくらい、過酷なものでした。

これから検査を受ける方、検討している方に向けて

大腸内視鏡検査は検査してから3年は期間空けても安心できるとされていますので、2日間で3年の大腸の安心を得られると考えて、便潜血検査陽性の方や血便のある方には前向きに考えて頂きたいです。もし検査を受けられるのであれば、自転車や車の運転はできなくなりますが、鎮静剤を使用しないと痛みを感じることも少なくないそうなので、鎮静剤の使用はおすすめします。

検査を受けるまでの1日半は大変ですが、大腸の健康状態が知れて、3年は安心できて、さらに検査前の腸管洗浄液で腸をきれいにできる。それで検査で何も見つからなければすごくいいじゃないですか、と前向きに検査を検討してみてください。