介護の仕事

無資格の介護職員の研修義務化、猶予期間内の今おすすめする研修は何か。

2025年問題を目前に、介護職員の認知症への対応力向上はサービスの質や高齢者の尊厳に大きく関わる重要な課題として注目されるようになりました。これまで介護職は資格が無くてもなることができる仕事でしたが、2021年度の介護報酬改定で厚生労働省は無資格の介護職員への研修義務化の方針を固め、今現場で働いている方を含め、無資格であれば今後指定の研修を受講しなければいけなくなってしまいました。資格があれば手当など優遇される面がありますが、無資格でも働くことのできる業界だけに無資格で従事されている方も一定数おり、この研修義務化の方針決定に衝撃を受けた方もいるのではないでしょうか。この記事はまだ資格を持っていない方に向けて、介護士として貴方がどうなっていきたいかによってこれから何を受講していったほうが良いのかを書き綴ります。

無資格介護職員への研修義務化

2021年4月の介護報酬改定の中で、厚生労働省は認知症への対応力向上に向けた取り組みと推進として、無資格の介護職員への認知症介護基礎研修の受講を義務付けました。これまで介護は資格が無くても働くことのできる仕事であった為、現在無資格の方も多いと思いますが、既に働いていらっしゃる方には3年間の猶予期間が設けられています。つまり2024年度になるまでに認知症介護基礎研修を受講しなければなりません。
新規に採用される方で無資格の方には入職後1年間の猶予期間が設けられ、この1年間の中で研修を受講しなければならなくなります。

どんな人が対象外になる?

厚生労働省が研修義務化の対象としているのは「無資格者」と明記されていますが、これは「医療・福祉関係の資格を持っていない者」という意味での無資格者で、具体的には「認知症ケアに関する基礎的な知識・技術を習得していない者」が研修義務化の対象となります。

  • 研修義務化の対象外となる資格

医師、歯科医師、看護師、准看護師、薬剤師、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、ケアマネージャー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活円従事者研修修了者、介護職員基礎研修家庭修了者、訪問介護員養成研修一級過程・二級過程終了者、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師

  • 資格以外で対象外となるケース

①養成施設や福祉系高校で認知症ケアについての科目を受講した者(卒業証明書や履修科目証明書などで証明できる場合)
②認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修などの認知症介護に関わる研修を終了した者
③人員配置基準上、従事者の因数として算定される従事者以外の者、直接介護に関わる可能性がない者

対象外にならないケース

①認知症サポーター等養成講座の修了者
これは意外に思われるかもしれませんが、講座の内容が認知症介護基礎研修の内容と異なることを理由に対象外から外されています。

②対象外とされる資格を持たない外国人介護職員で従事者の員数に算定され直接介護に関わる可能性がある者

認知症介護基礎研修とは

今後も介護現場で働いていく予定の方は義務化された認知症介護基礎研修がどのような研修なのか、期間や受講料など気になると思いますのでざっと紹介します。

認知症介護基礎研修とは、認知症ケアに求められる基礎的な知識や対応方法を習得する為の研修で、講義・演習各3時間の計6時間で修了でき、修了試験はありません。講義では認知症の理解や基本的な対応方法、コミュニケーションを学び、演習では認知症ケアの理念や考え方、行動の背景を理解したケア方法などを身につけることができます。受講には市区町村に所属している介護施設や事業所に従事していることという条件があり、受講の申し込みも所属している事業所による申し込みの為、個人での受講はできません。
各都道府県で開催されており、自治体によってはeラーニング化されているところもありますので、受講する予定の方は自治体の研修案内をご確認ください。
受講料はテキスト代込みで1000円~5000円程と自治体によって異なりますので、各自治体の研修案内をご確認ください。

今後の資格取得希望別のおすすめの研修受講

無資格の方は今後も介護現場で働いていく予定であるならば、認知症介護基礎研修か免除になる別の研修を猶予期間内に受講する必要があります。将来的には介護福祉士を取りたい、資格は今のところ考えていないなど今後あなたがどうステップアップしていきたいかでおすすめの研修が変わってきます。下記の免除となる研修の受講を猶予期間内に修了することで、認知症介護基礎研修の研修義務化の免除の対象となりますので参考にして頂けたらと思います。

資格取得の予定はない方

免除になる別の研修は費用も時間もかかることや資格取得の予定が無い方は1日で修了できかつ費用も数千円の研修義務化で指定されている認知症介護基礎研修の受講で良いと思います。

今のところ大きな資格取得は考えていないけど選択肢を広げておきたい方

介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の受講をおすすめします。介護職員初任者研修は介護職をする上で基本的な知識や介護技術を学べる研修内容になっており、通信学習+スクーリングの形の学習で1ヶ月~2か月と短期間で修了することができる研修です。カリキュラムは全体で130時間あり、修了試験があります。受講費用は5万~8万円と実務者研修よりはかかりませんが、事業所の資格取得支援で初任者研修が対象になっているところはあまり見かけません。
初任者研修を修了しておくことで訪問サービスでの従事が可能となったり、いずれ介護福祉士の取得を意欲がわいて実務者研修を受ける際には実務者研修のカリキュラムの一部が免除になるなどキャリアアップの可能性が広がると思われます。

介護福祉士の資格取得を目指している方

介護福祉士の取得を考えているのであれば介護福祉士実務者研修の受講をおすすめします。介護福祉士試験を受験するには実務者研修の修了が不可欠で、いずれ受講することになるからです。実務者研修は喀痰吸引や経管栄養など初任者研修より高度な技術と知識を学べる内容になっており、修了までに2か月~4か月程要します。

  • 資格取得支援制度があったらぜひ活用を!

実務者研修の受講費用は無資格の方だと9~13万円と高めですが、資格取得支援として費用を一部若しくは全額条件付きで負担してくれるところが多いです。その条件は資格取得してから〇年間今の法人で従事することというのが多く、その期間は事業所によって異なりますが3年を条件とするところが多いです。実質受講に関わる交通費のみで実務者研修を受講できるので、ぜひ所属している事業所の資格取得支援制度を確認した上で検討してみてください。