こんにちは、介護士わい(@ys_kaigo)です。
先日、新入職員に向けた研修の中で介護保険制度の概要を伝えてきたのですが、限られた時間の中で制度を説明するのは難しいことだと痛感しています。研修を受けた方からも制度のことをもう少し勉強したいとの声があり、中にはおすすめの参考書を聞く声もありました。
福祉の制度はたくさんあって、どの法律に基づいてどのような人がどのように利用できるのか細かい部分まで含めると覚えきれないほど膨大です。
今回おすすめする書籍は児童から高齢者までの全ての福祉制度を分かりやすく解説しているガイドブック『医療福祉総合ガイドブック』です。
・仕事で医療や福祉の制度の手続きや利用に関わる医療・福祉職の方
・医療や福祉の制度について理解を深めたい方
医療福祉総合ガイドブックの概要
医療福祉サービスを利用者の生活場面に沿って解説したガイドブックの2023年度版。最新情報のフォロー、解説の見直しによりさらに理解しやすい内容に! 医療保険、生活保護、年金保険、介護保険、障害者総合支援法、子どものいる家庭への支援、自然災害に対する支援等、全国共通で利用頻度の高い制度から地域によって異なるサービスまで幅広く網羅、コロナ禍で利用できるサービスも解説! 医療福祉関係者必携の1冊です。(医療書院)
医学書院から出版されているNPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会編集のガイドブックです。毎年4月に最新刊が発刊されていて、改正された制度や新しい制度なども最新の内容に差し替えられているので、この1冊で社会保障の最新情報を全て見ることができるという内容になっています。
児童~高齢者の医療や福祉の制度というと何を思い浮かべるでしょう?
私たちの身近なところでいうと健康保険、雇用保険、介護保険、年金あたりがパッと思い浮かぶのではないでしょうか。
ただ健康保険1つとっても国民健康保険、被用者保険、高齢者医療制度と更に細かく分かれていて、それぞれ利用できる人や窓口が異なっていたり、給付の種類も覚えられないほど多いです。
人は生まれてから生涯を終えるまでの間に良いこともあれば悪い事も含め様々な出来事を経験します。
その出来事が起きる年齢や生活状況によって利用できる制度は異なってきます。
このガイドブックは医療保険、医療費軽減制度、生活保護、年金保険、雇用保険、就職支援、介護保険、障害者総合支援法、障害者手帳、出産・子ども・家庭への支援、自然災害に対応する支援など、児童から高齢者までのあらゆる医療・福祉制度を網羅していています。
それぞれの制度をどんな人が利用できるのか、どれくらいの負担があるのか、窓口はどこでどのように利用するのかなど読み手にわかりやすいように解説してくれていますので、制度について理解を深めたい医療福祉職や医療福祉に携わっていない一般の方にもおすすめできる一冊となっています。
編集に携わっている日本医療ソーシャルワーク研究会とは
日本医療ソーシャルワーク研究会は広島県廿日市市にあるNPO法人です。
今回紹介しているガイドブックの編集の他に広島県内における相談事業(児童~高齢分野、原爆被害に関する相談など多岐に渡る地域相談)や成年後見制度事業、講習会、医療福祉の動向に関する研究事業などを行っています。
実際に現場でソーシャルワークを実践されている方が中心となって編集されているガイドブックということですね。
実際読んだ感想
◎ちょっとした調べものに最適な1冊
ガイドブックということで制度の概要が図や表などを使用して説明されており、また制度も分野ごとにまとめられていたりと分かりやすく書かれていました。制度も改正されたものに毎年差し変わっているのでこの1冊で最新の情報を知ることができます。
ソーシャルワークの実践課程で利用できそうな制度を調べたり、制度の内容を確認したり、ちょっと制度のことを知りたいという場合にも十分役に立ちそうなガイドブックだと思います。
ただもう少し詳しいことや具体的な部分が知りたいという場合にはこのガイドブックでは足りないと思いますので別途調べる必要があるでしょう。
◎どちらかというと現場目線での解説
難しい言葉などはあまり使わずに表や図、イラストを絡めた分かりやすい解説がされてはいますが、医療福祉に関わりのない方が読むのには無駄が無さすぎるような気がしました。
最後に
現場での直接支援、直接介護に携わる職員であれソーシャルワーカーであれ、医療機関の従事者であれ、自分が携わっている分野の制度くらいは知っておいて損はないと思います。
覚えるというと億劫になってしまったり勉強というイメージに拒否反応が出てしまう方もいるかもしれませんが、覚えるというよりかは触れてみる、目を通してみるというレベルで最初は制度についてラフな感じから知っていくので十分だと思いますので、ソーシャルワーカー志望でない方も制度について少し触れてみませんか?
もちろんソーシャルワーカーの方や志望の方には大いに役立つ書籍だと思いますので、気になる方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。