介護の仕事

【移乗介助】腰を下ろすときは慎重に。意外と大きな怪我が多い移乗介助について解説。

こんにちは、介護士Y(@ys_kaigo)です。

高齢者によくある事故というと転倒、骨折が一般的にイメージされるのかなと思いますが、今回は移乗介助での怪我に絞った内容にしていきたいと思います。

どうして移乗介助の絞った内容にしたかと言いますと、最近私が勤めている法人内の複数施設で移乗介助内での骨折事故が続いたという回覧があったからです。

移乗介助ってベッドと車いすをひょいと介助するだけだから、そんなので骨折なんてするの?とかもしかしたら不思議に思う方もいるかもしれませんが、実は移乗介助は骨折やケガのリスクが多いにあります。

ひょいと介助するだけなら腰も痛めないでしょうし、きっと移乗介助というのも奥が深いのでしょう。

どんな事故があったのか

冒頭で書いた「事故が続いた」ということは2件以上・・・
実際どんな事故だったのか気になると思いますが、どちらも移乗介助の中で骨折に至ってしまった事故です。

●骨折事故①
車いすから椅子に移乗しようと車いすから立ち上がり、その際に利用者の支えが甘く、立位保持の限界に達した利用者が椅子にドスンと座る形となり、数日痛みの訴えが続いたので受診したところ腰椎の圧迫骨折と診断。

●骨折事故②
ベッドから車いすに移乗する時に、座面にドスンと腰を下ろしてしまい、その時は痛みの訴え等なかったようですが、翌日から痛みの訴えがあり、1週間続いた後に受診して腰椎の圧迫骨折と診断。

どちらも腰椎の圧迫骨折という利用者に長期的に苦痛を与えてしまう結果になってしまいました。回覧に目を通しただけでもぞっとするような事故です。

腰椎の圧迫骨折とは

腰椎とは脊柱、背中の骨の一部にあります。背骨といわれる脊柱は上から頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨、鼻骨からなっています。

仙骨、鼻骨以外はだるま落としのように円柱が何個も重なっているような感じですね。

圧迫骨折とは何らかの力が上下方向に加わって、円柱のような形をした椎体が体の重さを支えきれずにと潰れてしまう骨折です。一度に複数の椎体が潰れてしまうこともあるそうです。

今回私が勤める法人であった座った時に起きた圧迫骨折
座るという動作はどんなに丁寧に座っても、上半身の重さが背骨にかかっていきます。背骨の下側であればあるほど、胸椎よりも腰椎のほうが負荷が強くかかります。

着地した時の衝撃で骨の脆い方は健康な方より骨折などの怪我のリスクが高くなるということですね。

怪我を防ぐために

若い人と比べると高齢者の骨はもろく折れやすい状態であることが多いです。中には若いころから高齢になってもバリバリやってきて骨も身体も丈夫な方もいらっしゃいますが、そっちのほうが珍しいかもしれません。

なぜ高齢者は骨がもろくなりやすいのか。
①加齢
加齢により骨形成のスピードが低下する為、骨密度が低下しやすくなる。

②女性ホルモンの低下
女性は50歳頃に閉経を迎えると女性ホルモンが低下し、骨吸収のスピードが増加し、骨密度が低下しやすくなる。一般的に女性の方が骨折しやすかったり骨密度が低いと言われるのはこのホルモンが関係しています。

③生活習慣
運動不足などにより骨への負担が減少すると骨量が低下します。
食生活もカルシウムやカルシウムの形成を助けるビタミンD、Kなどが欠乏すると骨密度・骨量の低下が起きやすいと言われています。

骨密度は20代~30代がピークとされ、過ぎると徐々に低下していく為、高齢者になっても骨折しにくい身体を作る為には、若い内に骨密度のなるべく上げることとピークをすぎたら骨密度や骨量をなるべく落とさない生活習慣、食習慣を心がける必要があるのです。

最後に

食事の見直しだけでは十分にビタミンなどの栄養が足りない可能性がある為、最近は様々な健康食品が出回っていますね。生活習慣、食生活の見直しだけで不安でしたら少しだけ健康食品を取り入れてみるのも1つの選択肢かもしれません。

少し脱線してしまいましたが、
移乗介助とかで腰を下ろすときはゆっくり慎重に、です!