介護の仕事

介護の資格を取ったほうがいいと言われる理由

介護の仕事は無資格でも始められ、資格を取らなくても長く勤めることができる仕事ですが、資格は取ったほうがいいのか考える方も多いと思います。結論から言うと取らなくていい場合もありますが、資格は取ったほうがいいです。今回は取ったほうがいい理由とその資格について、また取らなくてもいいんじゃない?と思う場合について書いていきます。

介護の仕事は資格が無くても始められる?

介護士、ケアマネージャー、訪問介護員、介護事務、ドライバーなど介護の仕事にはいくつかありますが、介護の仕事のほとんどは無資格で始めることができます。始めた後も資格を取らずとも長く働くことが可能です。私が今勤めている職場にも無資格のまま定年退職まで勤め上げた大先輩がいらっしゃいます。
資格があってもなくても、介護現場の業務内容は全く変わらない施設がほとんどで、違いというと資格手当くらいでしょうか。

資格がないとできない職種もある

資格がないと従事できないのは施設長やサービス提供責任者など上級職を除くと訪問介護員とケアマネージャー、ドライバーくらいでそれぞれ従事するにあたり必要な資格があります。

訪問介護員は利用者の住居に訪問して基本的に1人で介護サービスを提供するのである程度の介護技術が求められます。その為、従事するには介護職員初任者研修の修了以上の研修修了や資格取得が必要となります。
ケアマネージャーは利用者の状況に応じて介護サービスを受けることができるようにケアプランを作成するデスクワーク中心の仕事ですが、従事するには介護支援専門員という高難度の資格が求められます。
ドライバーをするにはご存じの通り運転免許が必要です。無免許では逮捕されちゃいますからね・・・。

資格不要派と資格取得推奨派の論争

どの施設でも必ずと言っていいほどこの2派閥が存在します。
●資格不要派
資格が無くても仕事はできるし、資格が無くても専門性は高められる。
資格取得したからといって仕事の内容が変わるわけではない。
資格取得にかかるお金が意外と高い。

●資格取得推奨派
専門性を高めるために資格は取ったほうがいい。
資格を取ったほうが手当が出て給料が上がる。

正直不毛な論争です。資格があってもなくても仕事内容は変わらないし専門性も高めることはできる。大きな違いは手当の有無とキャリアアップに繋げることができるということなのです。

資格を取ったほうがいい理由

①キャリアアップに繋げることができること
資格を取得することで別の職種にチャレンジすることが可能となったり、できる業務の幅が広がりますので、より専門性を高め、キャリアアップすることが可能です。

②資格手当によって給料が上がること
資格手当の金額は事業所によって異なりますが5,000円~10,000円が多いようです。例えば資格手当が5,000円だとして年間60,000円の給料アップです。介護職の年収は低いと言われる中、年間60,000円以上の年収アップは少ないとは言えない金額だと思うのです。

1円を笑うものはなんとやらと言いますが、資格手当はバカにできないです。資格を1度取れば半永久的に手当分給料が上がります。全く同じ仕事をしていて負担もほとんど変わらないのに給料は違う、それでも資格手当は無くても良いと本当に思えますか?

稀に勤続年数が増えるにつれて資格手当が減額していくなんていうブラックとも思われること間違いない事業所がありますので、入職前に待遇面の確認は慎重に行ったほうが良いです。資格手当は福利厚生の一環でもありますので、企業、法人の経営状況によっては減額されたり、なくなることもあります。

私が以前勤めていた施設では、経営状況が悪化して資格手当が2,000円減額されたことがありました。たかが月2,000円と思う方もいるかもしれませんが、年24,000円、10年勤めれば240,000円。長く見ると無視できない金額だと思います。

取らなくてもいい場合について

基本的に資格は取ったほうが良いと書きましたが、取らなくてもいいんじゃない?と思う場合もあるかもしれません。それはキャリアアップに全く関心が無い方や介護で長く勤める予定でない方あたりでしょうか。どれくらい介護業界で勤める予定かにもよりますが、事業者の資格取得支援はほとんどが資格取得してから2~3年間は従事し続けることが条件となっているところが多いので、2~3年以内に介護業界から去る予定であれば取得しなくてもいいのではないかと個人的に思います。

取得するならどの資格がいいか

資格取得するメリットはやはり手当が出ることとキャリアアップに繋げられるということです。
職員想いの超優良法人なら介護職員初任者研修や実務者研修の修了でも手当が出るところもあるかもしれませんが多くの法人、企業は介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員など大きな資格を手当の対象としています。
取りやすさと難易度で順位付けすると 介護福祉士<社会福祉士<介護支援専門員 です。

介護業界で勤めておられるのであれば、取りやすい介護福祉士をおすすめします。

●介護福祉士
取得には幾つか取得方法がありますが、ほとんどの方は介護業務の実務経験3年間+介護福祉士実務者研修の修了が必要です。出題範囲は高齢者福祉の分野が中心で、合格率も6割前後の国家資格です。

●社会福祉士
こちらも取得にはいくつか方法がありますが、いずれも学校に通う必要があり、実習も必須となってきます。社会福祉士は出題範囲が福祉全般でとても範囲が広く、合格率も2~3割と低めで難易度の高い国家資格となっています。

●介護支援専門員
介護福祉士や社会福祉士など福祉・保育・医療の資格を取得してから5年間かつ900日以上従事していることが受験の条件にもなっています。介護支援専門員は国家資格ではありませんが、介護系の資格の中で最高難度の試験と言われています。

ここではざっくりとですが、また改めて資格の取得について詳しく書こうと思います。

最後に

資格手当の有無や支給方法など、法人・企業によって様々なのでこれから勤めようと考えている方も、今勤めている方も必ず確認したほうが良いです。資格手当を含め、法人・企業の福利厚生は自分の将来に少なからず影響を与えます。金銭的なものを含め、今の職場で勤め上げたときに自分に何を残すことができるのか、改めて見つめ直すことができることを願います。