介護の仕事

介護現場で腰痛ベルト・コルセットを使用するメリット・デメリット

介護というと腰痛をはじめとする肉体的な負担のイメージが強く、実際に腰痛が悪化してしまったせいで事務職への異動や退職を選択する方も少なくありません。最近では腰痛予防のベルトやパワースーツなど、腰痛予防の商品がどれを選んだら良いのか迷うほど販売されていますね。今回は腰痛ベルト・コルセットについて使用するメリット・デメリットを書き綴ります。

腰痛とは

腰痛とは炎症や外傷によって腰に痛みが生じることであり、原因は骨折、打撲、炎症、がん、心因性などとされています。原因の特定できる腰痛は全体の15%ほどで、特異的腰痛と言われ椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが含まれます。

腰痛予防のベルト・コルセット

ベルトは腰痛を患ってしまっていて痛みを軽減させたい場合などに着用するものです。仕組みは腰椎の不自然な姿勢を防ぎ、腰部と腹部を圧迫することで腰回りの筋肉を補助し腰部を支えることで、使用することで腰部にかかる負担を軽減させる効果があります。

着用した際のメリット

〇姿勢を矯正し、腹圧を高めてくれる
正しい姿勢になりやすく、腰部に負担のかかりにくい動きを取りやすくなります。

〇腰部の痛みが軽減します。
正しい姿勢に矯正され、腰回りの筋肉の補助的な役割をしてくれるため、負担のかかりやすい動作の負担を軽減します。着用してない場合と比べて痛みの軽減が期待できます。

ベルトのほとんどは自分で着圧を調整できますが、強すぎればやはり動きづらく圧迫感で苦しいこともあります。逆に着圧が弱すぎると効果が薄れてしまいますので、着けてる意味がなくなってしまいます。

〇腰部・腹部の冷え予防
腰部や腹部の冷えは筋肉を緊張させ、腰痛の原因にもなります。着用することで保温にもなり、筋肉の緊張を和らげます。

着用した際のデメリット

〇あくまで腰部腹部の筋肉の補助的な役割
補助的な役割であるため、パワースーツのように着用したからと言ってパワーアップしたり、負担が激減するわけでもなく、重いものが軽々持てるようになるわけではありません。

〇腰痛対策として長時間の着用は逆効果
一度腰痛になってしまうと同様の動作をする際に恐怖から過度に予防的に着用してしまうことがあります。長時間着用することで逆に筋力が低下してしまう可能性があり、結果的に腰痛になるリスクが増えてしまうことがあります。

〇ベルト・コルセットの素材によっては腰部以外に負担がかかる場合があります。
金属を使用したものなど硬い素材が使われている場合、腰が固定されている為、振り返りなどの動作をする際に腰以外の部位に負担がかかり痛めてしまう可能性があります。

〇ベルト・コルセットの素材によっては夏場は蒸れやすいです。
介護士はよく動く仕事でもありますし、使用環境にもよりますが夏場は蒸れて汗疹など皮膚トラブルを起こす可能性があります。

移乗や排泄ケアは身体的に負担の大きい介護ですので、冬場でも連続して介護すると身体が暑くなりますよね。その上、ベルトを着けて行うと、着けていた部分が汗で濡れているなんてことも多いです。

最後に

ベルトやコルセットは正しく着用することで効果を発揮します。ベルトに限らず私たちの生活で使用している多くの製品もそうですよね。正しい使い方があって、間違った使い方をするとすぐ壊れてしまったり、正しく動作しなかったりしますよね。

腰痛の原因は様々で、原因のわからない腰痛も多いですが、ベルトやコルセットは症状によって合う合わないものがあります。長引く腰痛に苦しんでいる方やコルセット選びで悩んでいる方は一度受診して医者や専門家に相談してみることをおすすめします。