介護の仕事

[介護]人員配置基準の緩和、3:1から4:1になるとどうなるか

最近職場で噂になっている介護施設の人員配置基準の緩和について、

そもそも人員配置基準とは

老人ホームなどで利用者3名に対して介護職員もしくは看護職員を1名の配置をしなければならないという基準のことで、施設はこの配置基準を満たすことが義務付けられています。ちなみにこの介護職員にはケアマネや相談員、事務員、医師、施設長、栄養士などは含まれません。

「でも夜勤なんかは1人でやったりしてるし、それって基準満たしてないってこと?違反じゃん」
と思われるかもしれませんが、この3:1の人員配置基準は利用者と職員の総数の割合を表しているもので、時間帯によっては3:1より下回ります。

夜勤帯なんかは10~20:1になることもありますが、利用者の総数が100名だとしたら30名の介護職員が在職していれば問題ないということになります。

配置基準が4:1になるとどうなるのか?

3:1の場合は利用者100名だとしたら30名の職員が在職していれば問題ないと書きましたが、これが4:1になるとこうなります。

利用者100名だとしたら25名の職員が在職していれば配置基準を満たすことになります。

30名から25名に少なくなっていますよね。
今より少ない職員数でも配置基準を満たすことができるということです。

これって今よりも現場が人手不足に陥る可能性があるということでもあります。人手不足が悪化するだけでなく、職員の負担が更に増え、利用者へのサービスの質の低下が起こる可能性も十分にあると思います。

・そんなのやってらんないよ!
・負担変わらないのに職員の人数少なくなるってどんな無茶ぶり!?
って思う人が沢山いそうですよね・・・。

緩和されてしまうと今より職員数が少なくても配置基準が満たせるようになりますが、だから職員が減らされるということはあまり起こらないように思います。

あるとすれば
・新規採用の数を減らしたり
・業務を円滑にこなせている場合は事業所が有期契約職員の契約更新をお断りしたり
そういう形で人員を調整いく可能性はあるかもしれません。

どうして配置基準の緩和が検討されたのか

待ち受ける2025年問題を始め、今後介護を必要とする高齢者が増えていくことは間違いなく、介護業界の人材不足に更に拍車がかかっていきます。人材不足の理由には所得が低いことや心身ともにきついというイメージから不人気であるなどの理由がありますが、配置基準の緩和の案は人材不足という福祉の課題から始まったようです。

配置基準の緩和についての話があがったのは令和3年12月20日の規制改革推進会議でのこと。議事録や資料を見たい方はこちらへ。

福岡県北九州市とSOMPOケア、社会福祉法人若竹長寿会の3つの団体が参加した医療・福祉の専門会合で、各団体がデジタルテクノロジーの導入と業務整理を進めることで配置基準の緩和は可能という見方をだしており、政府もこの配置基準の緩和に前向きの姿勢のようです。

人材確保が難しいけれど、デジタルテクノロジーを導入することで介護士の負担を軽減できる環境になるので、配置基準を緩和して人材確保の課題のハードルを下げましょう、ということですね。

でもデジタルテクノロジーの導入ってごく一部の大手企業だけで、ほとんどの法人や施設ではほとんど進んでいないと思うんですよね。自治体からの補助金があったとしても、中小規模の法人や企業の施設は導入する余裕がないと感じます。未だに紙ベースの介護施設も多いですし・・・。

睡眠センサーとはコミュニケーションロボットあたりは個人的に導入してほしいなーと思ったりします。

最後に

例え人員配置基準が緩和されたとしても、まだまだデジタルデクノロジーの導入進んでいない施設が多いです。導入が進んでいるのはごく一部の大手や経営に余裕のあるごく一部の事業所だけです。福祉業界全体である程度導入が進んで介護士の負担の軽減ができるまでは今とあまり変わらない労働環境だと思います。